インシデント・プロセス
マサチューセッツ工科大学(MIT)教授のポール・ピゴーズ、フェイス・ピゴーズ夫妻が考えたケースメソッドの変型版を言います。
この手法は、管理監督者を対象とした問題解決や、意志決定研修、ヒューマン・アセスメント研修に組み込まれることが多いです。
ケースメソッドと同じく問題解決型の事例研究ですが、ケースメソッドが出来事と背後の事実が事前に提示されるのに対し、インシデント・プロセスでは、出来事(インシデント)だけが提示され、背後にある事実関係や情報は、質問することで収集していくという進め方をします。
ケースメソッドのように膨大なケースを読まなくても、質問によりしだいに事実や現象が浮き彫りになっていくところから、受講者にとっては興味のわく事例研究と言えます。
今日では、インシデント・プロセスのバリエーションがいろいろ現れてきており、それらと区別するため、この伝統的な方式を「ピゴーズ・インシデント・プロセス(PIP)」と呼ぶことがあるそうです。